超高齢社会の日本において、住まいにできること。平成27年度の介護保険法の改正により、在宅での介護がさらに求められてきています。また終の棲家にも関心が集まり、住み慣れた我が家を希望される方々も当然多くいらっしゃいます。
建築のプロとしてどのようなサポートができるのか?まさにケースバイケースですが、その方の「住まい」であり続けるためにできることを考えていきたいと思います。
バリアフリーとは「バリア=障碍」を「フリー=除く」こと。高齢者にとって安全な住まいは、高齢者でない方にとっても安全な住まいと言えるはずです。リフォームの機会には「転ばぬ先の杖!」、バリアフリーへの対応も提案いたします。
介護保険による住宅改修は工事費20万円の枠内で自己負担1割で行えます。つまりもし仮に工事費が20万円きっかり(経費や消費税も含まれます)の場合自己負担は2万円です。この他にもいろんな取り決めがありますので詳しくはお問い合わせください。
20万円の枠を有効に活用しようと考えた場合、その方の日常生活動作(ADL)のできる、できないをしっかりと見極めどの動作のサポートが優先されるかを考えてご本人との十分な相談とご本人の十分な納得がとても大事です。
当然この過程には担当のケアマネージャーとの打ち合わせが必要で医療・福祉の担当者とのコミュニケーションスキルも求められます。
またやみくもな工事は無意味なだけではなくかえって生活がしにくくなる場合もあります。助成の枠に限りがありますので何が有効かしっかりと判断して提案いたします。
福祉住環境コーディネーターのテキストには手摺の取付位置など平均値、もしくは推奨値が記載されています。しかしそれにこだわってはいけません。身体状況はそれこそ千差万別、人それぞれ違います。ご本人が使いやすい位置、ご本人が安心できる位置がとても大事です。バリアフリーのリフォームではご本人とのコミュニケーションがとても重要です。
また工事だけにとらわれず福祉用具の活用も提案できることが必要です。助成の工事費に限りがあることに加えて福祉用具を利用する方が妥当な場合があります。たとえば浴槽の手すりやトイレのアーム、玄関框の手すりなど住まいの状態やご本人の日常生活動作によっては福祉用具の活用の方が妥当な場合があり得ます。また玄関アプローチの段差解消に無理にスロープを作ってもかえって危険な場合もあります。そんな場合は福祉用具のスロープを使い介助を前提とした方がいいかもしれません。
住まいの状態とご本人の日常生活動作を踏まえて福祉用具の活用まで含めた提案が望まれます。
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