住まいの健康診断

住まいは時とともに暮らしとともに変化していきます。体と同じで時折状態を点検してあげることが大事です。そしてまず何よりきちんと基本の状態を把握してあげることが一番です。かんなび工舎ではそのための診断技術・診断ツールをご用意しております。
これもまた人と同じで「かかりつけ医」を持つことがとても大事です。信頼できる工務店なりに住まいの状態を把握してもらうことが永く住まいも住む人も健康に暮らす一番の方法です。

ポイント①:まずは基礎体力

住宅の中で多い木造住宅。その基礎体力=建物の強さは地震の多い日本では地震にどれだけ耐えられるかにかかっていると言えるでしょう。まずはその基本的なデータ-を取得するために耐震診断を受けることを強くお勧めいたします。
公的な補助は昭和56年5月以前の旧耐震の建物に限られますが、あの阪神淡路大震災の教訓をもとにした平成12年の建築基準法改正より前の建物は問題がある可能性ありと指摘されています。
この年代の建物も耐震診断を受けることをお勧めします。たとえば健康診断の補助に年齢制限がありますがそれより若いと大丈夫!という意味ではありませんよね。
同様に建物の診断の補助にも年齢制限がありますがそれより若いと大丈夫というわけではありません。
耐震診断に伴う屋根裏調査です-雨漏りの有無の確認や筋交を探します
耐震診断に伴う屋根裏調査です。
雨漏りの有無の確認や筋交を探します。
リフォームを行う時に、壁や天井や床を撤去する場合があります。撤去をしなくてもクロスの貼り替えなどを行うのでしたらついでに撤去が可能な場合があります。耐震診断を受けていて手元にデータ-があればリフォームのついでに住まいを地震に対してより強くすることも可能です。なのでリフォームを行う業者には耐震診断や耐震改修の知識と技術が必要不可欠です。でないと貴重な耐震補強のチャンスをみすみす逃してしまうことになってしまいます。
あらかじめ耐震診断を受けていただいておりましたリフォームに合わせてついでに耐震補強も行いました。
あらかじめ耐震診断を受けていただいておりましたリフォームに合わせてついでに耐震補強も行いました。
とてもリーズナブルな事例です。
阪神・淡路大震災、そして未曾有の東日本大震災を経験し、この国土においては地震に全く安全な場所はないと言っても過言ではありません。私たち建築のプロは、住まいの倒壊による被害をできるかぎり食い止めるよう対処するべきだとかんなび工舎は考えます。平成12年より前に立てられた住まい、特に昭和56年5月31日以前に建てられた住まいにはぜひ耐震診断を受け、住まいの基礎体力を把握して、リフォームの機会に耐震改修を活用されることをお勧めいたします。
耐震診断報告書
耐震診断報告書。
写真はかんなび工舎の控えです。
使用ソフトは構造システムのHOUSE-DOCです。
ちなみにむやみに補強することは家のバランスを崩してかえって住まいを脆弱にしてしまう場合が往々にしてあり得ます。まず診断!が肝要です。

かんなび工舎の木造住宅の耐震診断費用 50000円(税込)
税別にしたいところですが今のところ税込です。規模により変動がありますのでご相談ください。
高槻市・島本町では27年度現在、昭和56年5月31日以前の木造住宅に対し45000円の補助があります。
かんなび工舎では木造住宅の耐震診断から改修工事の設計、改修工事そして住宅ローン減税に必要な耐震基準適合書発行まで対応いたします。
平成26年に行いました改修設計の平面図
平成26年に行いました改修設計の平面図です。

ポイント②:それぞれの機能の診断

人間でいえば基礎体力の次はそれぞれの機能についての診断が大事ですね。心臓はどうかな?胃は大丈夫かなといった具合に。
住まいの場合は建物の暖かさや涼しさを保つ断熱性能や給湯器などの設備の効率の良さや水道やトイレなどの衛生設備の水の消費量などがこれに当たるでしょう。

かんなび工舎ではTOTO、大建工業、YKKapが協力し提唱するグリーンリモデル診断のマイスター登録をしています。
この診断は一部メーカーが提唱するものではありますが、そのメーカー品に囲むことなく、広くあらゆる住まいに対応するリフォームに適した住まいの健康診断です。
リフォーム前の状況とリフォーム後の省エネの改善の度合いがとても分かりやすく提示されます。
快適になり、環境にもプラス!ちょっと気持ちのいいリフォームにぜひご活用ください。
枚方市での診断事例
枚方市での診断事例です。
ところで、かんなび工舎のひとり言。
オール電化にエコキュート、エネファームに太陽光発電、はてはスマートハウス。日本の住まいのエコの関心はなぜか設備に向けられがちです。この動きが悪いわけではありませんが、東日本大震災の後の電力状況を考えると深夜電力による「光熱費ゼロ」が本当にエコなのか疑問です。
太陽光発電も設置効果が見込めるのは3kW以上の発電量が見込める場合と言われています。しかしこれも光熱費に効果が向けられがちで、家庭が購入する電力料金よりもかなり高く設定されている売電価格を前提としています。その売電価格の設定も早くもほころびが見えはじめ見直しが進められています。
住まいが消費するエネルギーのあり方は、少し難しいことですが日本を取り巻くエネルギーの状況、世界のエネルギー状況を踏まえて考えていく必要があると思います。
またあの震災の衝撃はとても大きかったのでそれまでの地球温暖化への取り組みが少し忘れられているように感じます。さまざまな問題がありますが結果として今この国は化石燃料の燃焼によってエネルギーを得ています。
全体的なことはひとまずおいておいて、各ご家庭での省エネへの取り組みはとても大事です。各ご家庭の小さな取組の積み重ねが大きな力となっていきます。
人も住まいも様々な環境の中にあって暮らし続けることができるものですから環境とのつながりが大事なことだとかんなび工舎は考えます。
それこそ住まいのエコロジカル=生態系的な在り方です。
かんなび工舎が取得した「省エネ建築診断士」。この診断は建物自体の断熱性能を診断します。冬温めた空気が冷めない度合い、夏涼しくしたへやが暖まらない度合いを調べます。
この診断はドイツで生まれたパッシブハウスの考え方をもとにしています。パッシブハウスの考え方は建物の燃費を押さえ快適にかつ環境負荷の小さい住まいを目指しています。設備よりもこの考え方の方が大事だと思うのですが、実はリフォームの際には対応が難しい。新築の場合にはぜひ押さえておきたい考え方です。
パッシブハウス

ポイント③:諸症状の診断

人が動いてケガをしてお医者さんに行くようなことは、住まいの場合土地の上に根ざしていますのでありません。地球温暖化のせいか竜巻が増えて物の方が飛んでくるなんてことがごくたまにあり得ますが。
風邪をひいていないかな?皮膚がカサカサしていないかな?そんな普段のコンディションの診断が住まいの場合一番大事です。
人は生き物ですので新陳代謝をします。つねに更新する力をもっていますし治る力も持っています。しかし残念ながら住まいにはそんな力はありません。基本的には「物」ですので経年劣化をします。屋根葺き材は年数がたてば表面の水を防ぐ力は衰えます。外壁の仕上げも年数がたてば風雨にさらされて傷んできます。そのこと自体はどうしようもないことです。
ですが住まいには人が暮しをしています。住んでいる人の手が加わるのを待っています。住み手が常に住まいに気を留め適切に更新することが住まいをいきいきと健やかに保つ秘訣です。
でも窓を開けて風を通すとか、排水口を掃除するとか、普段のお手入れ以上のことはなかなか難しい!そこでプロの出番です。

排水経路に問題はないか?給水管からの漏水の恐れはないか?屋根葺き材や外壁の仕上げの経年劣化はどの程度のものか?くわえて雨漏りやシロアリの被害はないか?そもそも家はちゃんと立っているか?傾きなどないか?
そうしたことを診断することをホームインスペクション(=住宅診断)といいます。かんなび工舎では日本ホームインスペクターズ協会の公認ホームインスペクターとして登録をしております。
「え?何のこと?工務店の人に見てもらうのとどう違うの?」
大事なことは客観性と第三者性です。たとえば家の売り買いの時に不動産屋さんが「この家はいい家ですよ!」といっても客観性には疑問がありますよね?ピンポ~ンと鳴って出てみると作業服のおじさんが「お宅の屋根傷んでますよ!早く直した方がいいですよ」なんて言われてもとてもうさんくさいですよね。そうした時にこの公認インスペクターが役に立ちます。診断知識や技術を問う試験に合格し、協会の定める中立性の堅持などの倫理行動規定を守ることが義務付けられている公認インスペクターなら第三者としての客観的な診断を求めることができます。

かんなび工舎のホームインスペクション費用

一次診断 50,000円(税込)
屋根裏詳細調査  +10,000円(税込)
床下詳細調査 +10,000円(税込)
同じく税別にしたいところですが今のところ税込です。
建物の規模により変動があります。詳しくはお問い合わせを。
住宅診断
どちらかといえば「誰に頼めばいいかわからない!」方向けです。かんなび工舎のOB顧客様はかんなび工舎を「かかりつけ医」としてくださっている方が多く、耐震診断などの大掛かりな場合を除き、たいてい無料で相談を受け診断を受けることができます。

逆に中古住宅の売買の際は必須ではないかと思います。バブル期の日本の住宅着工戸数はおよそ160万戸。近年のアメリカの住宅着工戸数(およそ90万戸)と比べ、人口比も考えるとその突出ぶりが明確です。平成26年の日本の住宅着工戸数はおよそ88万戸。景気低迷とはいえ、まだ多く感じられます。住まいのあり方がアメリカとは異なりますが、いまだにスクラップ&ビルドが繰り返されている状況です。もしくは中古住宅がだぶついてきているにも関わらず、緑地が、工場が建売住宅や、マンションに変わっている結果でしょう。
そんな中、国もようやく中古住宅の活性化に乗り出しました。これからは住まいを大事に住み続ける、そんな暮らし方が求められると思います。
そこで不動産の流通の現場で、建築のサイドがサポートする、住まいのコンディションを公正に診断することが重要になってまいります。
資産価値は?駅から何分?学校はどこ?そんなことが不動産としてこれまで取りざたされてきましたが、これからは住まいとしてどうなの?暮らしをはぐくむ器としてどうなの?建築としての評価が大事になってくると思います。